私たち東京電子はミッションである「核融合」=「Fusion Energy 」を遂行するために、フランス サン•ポール•レ•デュランス、マルセイユで開かれました、THE 2ND ITER PRIVATE SECTOR FUSION WORKSHOP (https://www.iter.org/2nd-iter-private-sector-fusion-workshop ) 及び ITER Business Forum 2025 https://www.iterbusinessforum.com/homepage.aspx に参加致しました。 その模様についてご報告を致します


ITERについて
まずはITERとは何かを紹介します。 ITER(イーター)とは、「国際熱核融合実験炉(International Thermonuclear Experimental Reactor)」の略で、核融合エネルギーを実用化するための国際共同研究プロジェクトです。 ■ITERを簡単に言うと:ITERは、太陽と同じ原理(核融合)を地球上で再現して、クリーンでほぼ無限のエネルギー源を作ろうという壮大な実験です。 ■ポイント:核融合とは?軽い原子(主に水素の仲間)を高温・高圧でぶつけて一つに合体させることで、大量のエネルギーを生む反応。太陽のエネルギー源です。
・どんな国が参加している? 日本、アメリカ、EU、中国、ロシア、韓国、インドなど、世界の主要国が協力しています。
・何のため? 石油や石炭に頼らず、CO₂を出さず、安全で持続可能なエネルギーを得るのが目標。

■ITER(イーター)の建設地は?
フランス南部のプロヴァンス地方にあるサン・ポール・レ・デュランス(Saint-Paul-lez-Durance)です。この地域は、フランスのエネルギー研究拠点であるカダラッシュ(Cadarache)の近隣に位置しています。最寄りの主要都市はエクス・アン・プロヴァンスで、マルセイユ国際空港から車でアクセス可能です。



2ND ITER PRIVATE SECTOR FUSION WORKSHOP

ITER(国際熱核融合実験炉)プロジェクトが2025年4月22~23日に フランスのカダラッシュ(Cadarache)で開催する 「第2回民間セクター核融合ワークショップ」です
要点を簡単にまとめると:
イベントの名称:第2回民間セクター核融合ワークショップ(The 2nd Private Sector Fusion Workshop)
日程と場所:2025年4月22日〜23日フランス・カダラッシュのITER施設内で開催
目的:
世界の民間核融合プロジェクトの優先事項に対応し、公的研究機関(ITERなど)と民間企業との知識共有と連携を促進すること。
背景にある考え方:
核融合の開発は、公的機関と民間企業の競争ではなく、補完的な協力関係が重要という立場。最先端のイノベーションを実現するには、両者の連携が不可欠だと述べています。
■Day1

建設中のITERのサイトに到着しました。 この建屋がITERの中心部、核融合炉があるトカマク棟です。各国のフラッグが地球最大のプロジェクトを表しています。 これから
(プログラムの詳細)
【Agenda】Day1
・オープニングセッション
・イノベーション技術セッション#1
ITERでのAI活用事例(精密組立、プラズマ挙動、知識管理)4D可視化・計画支援 ダイ バータの熱負荷管理、材料選定 、トカマクの定常運転概念、長時間パルス運転の 取り 組み、ミラー型磁場閉じ込めの進展 ・サイトツアー
・イノベーション技術セッション#2
構造材料と機能材料の革新、融合炉用ハイブリッドブランケット構想、スケールアップ対応の先端材料開発 、融合炉用のステンレス鋼・合金 ・ネットワーキング・ディナー(シャトー・ヴァル・ジョアニス)
■Day2
・ITERと民間核融合スタートアップの連携
・イノベーション技術セッション #3
真空技術、真空計測機器 、核融合向けクライオポンプ、高真空バルブ
・核融合の課題セッション
排熱・冷却・燃料サイクル革新、液体金属壁技術、燃料サイクルの提供.
・核融合発電所実現に向けた統合的課題
商用ステラレーター発電所、トカマク型融合炉技術、プラズマ制御、ジャイロトロン技術
・官・民の核融合サプライチェーン、ITERサプライチェーン


サイトツアーの開始です
【真空容器組立建屋】

最初は真空容器の組立建屋です。 真空容器は核融合反応を起こす核心部分の容器です。


【ポロイダルコイル磁場コイル巻線建屋】


【冷凍機建屋】 クライオスタットは、核融合反応に必要な超低温環境を維持し、超伝導磁石を外部からの熱の影響から遮断する役割を果たします。




【電源設備】

ここから冷凍設備、トカマク、電磁石等
核融合のための必要な電力を供給します。


【高周波加熱建屋】
さて、いよいよ私たちが納めた加速電源が設置されている高周波加熱建屋です。
ここを起点として高周波プラズマ加熱を行います。



高周波加熱建屋正面入り口です。
この中にRF加熱を起こすジャイロトロンが3階にそして ジャイロトロンを駆動する加速電源が2階に設置されています。

こちらが3階のジャイロトロンが設置されるスペースです。 奥の部分にジャイロトロンを設置する架台が組み立てられています。 残念ながら今回は我々の加速電源が設置されている2階はスケジュールの都合上見学することはできませんでした。残念…
高周波加熱建屋の完成図です。詳細については下記QSTのHPをご参照ください。 https://www.fusion.qst.go.jp/ITER/jada/page2_6_3.html
(QST HPより)

高周波加熱装置には我々オールジャパンを上げての技術が結集されています!


今回は見学ができなかったのでQSTのHPでレポートされている写真をお借りしています。 黄色の装置が当社の加速電源です。

【冷却塔】
ITERのファシリティを冷却する重要な役目です。 巨大な冷却塔


【トカマク建屋・組立建屋】

いよいよ、今回のツアーのメインであるトカマク建屋・組立建屋です。 この中で1億℃のプラズマを造り、重水素、三重水素を反応させ核融合を起こします。




トカマクピット内部。D型のモジュールを連結して ドーナツ型の トカマクを形成していきます。 炉の直径は30mほどの巨大なものになります。
トカマクを形成するモジュールを組み立てる組立建屋内部です。 ここで先ずモジュールを組み立てトカマクピット内に運びます。
サイトツアーはここまでです。
まだ建設途中ではありますが、「地球最大のプロジェクト」と言われる巨大な施設を見て、その一端を担っているという使命感があらためてわいてきました。
【おまけ】ITERに対する貢献企業として我々のプラークもHQに飾られております。


ITER Business Forum 2025
つづいて舞台はマルセイユに移り、ITER Business Forum 2025(IBF)への参加をレポートします。

【目的】
・ITERプロジェクトへの産業界の参画促進
・各国の企業間のパートナーシップと協力の強化
・ITER計画の最新情報の発信
【開催概要】
日程:2025年4月23日(水)~25日(金)
会場:フランス・マルセイユのParc Chanot – Palais des Congrès
参加対象:企業関係者、研究機関、スタートアップ、技術者、政策担当者など
【主なプログラム内容】
・プラナリーセッション:ITER組織や各国の国内機関、主要サプライヤーによる最新情報の発表
・テーマ別ワークショップ:建設・運用プログラム、デジタルトランスフォーメーション、トリチウム技術など多岐にわたる分野での専門的なセッション
・BtoBミーティング:参加者自身が事前にオンラインでスケジュールし、1対1の商談や協業の機会を提供
・展示会:産業界の技術や製品を紹介する展示スペース
・ネットワーキングイベント:ウェルカムレセプション、カンファレンスディナーなど





東京電子もITER JAPAN ファミリーとして出展させて頂きました。

初日のウェルカムレセプションでは素晴らしいドローンショーが有りました。



中日のカンファレンスディナーはフランスプロフットボールリーグのオリンピック・マルセイユの本拠地スタッド・ヴェロドロームで開かれました。ディナー前はなんとピッチに降りてのカクテルでした。


これにてITER WS、IBF/25の日程がすべて終了しました。

私たちの核融合に対する取組について詳しくはこちらをご覧ください。https://www.toel.co.jp/column/power-supply/c0301/809/